Monthly Archives: June 2014

上半期ベスト

所属している「Japanese Street Photographers」にて。
上半期の活動の中でベストな写真を一枚選ぶというトピック。
良くも悪くも惰性的にやってきた上半期、それなりに良いのが何枚かある印象だったが、こういう風に改まって”一枚選べ”と言われると、
毎回ギクッとする自分がいる。

そしてそういう視点で自分の写真を振り返ると、まぁ弱い弱い。写真が弱い。
自分の写真がイヤになる。

その中で選んだのは、この一枚

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ストーリーと感情。そしてビジュアル的な画面構成。がうまくいったかな、と。
しかし実際は、この一枚のチョイスにさえ自信が無いのが、今の自分のイヤなところ。
写真の善し悪しをはかる明確なものさしが無い。

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” ある日、私はアメリカのケープコッドにいたが、その日は雨が降っていた。近代美術館で展示会を開いたばかりのときのことだった。
ひさしの下で雨宿りをしていたら、隣に若者たちが集まっていたので、あわててライカを手にその場を立ち去った。
若者のひとりが、こういっているのが聞こえた。
『おい!あいつ、カルティエ=ブレッソンを気どってやがる』
おもしろかったよ。
時々、私はカルティエ=ブレッソンを知っているかと聞かれるので、こう答えることにしている。
『知っていますよ!まったく性悪な男でね。とにかく、近づかないことですよ。我慢のならない男ですから』
そう、壁土色でいなければならない。自分の存在を忘れてもらう必要がある。
『私は、私は』という態度には反対だ。
ドガが、こんなふうにいっていたと思う。
『人に知られていなければ、有名であることはとてもすばらしい』 ”

Henri Cartier-Bresson フィリップ・ベグネルのインタビュー 1989年2月

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” 感情は、白黒写真のなかに見いだせる。それは、移調され、抽象化されて、「普通」ではなくなる。
現実は混沌とした洪水だから、そのような現実のなかから、われわれはバランスのとれた方法で、背景と形式を選択しなければならない。
それなのに、そのうえ色の心配までしなければならないとしたら!
また「自然の」色などなにも意味しない。骨抜きにされた光景であるカラー写真で喜ぶのは、商人と雑誌だけだ ”

Henri Cartier-Bresson 「ル・モンド紙」のインタビューより

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ライアン・マッギンレーより、若き写真家たちへ贈る言葉。

ライアン・マッギンレーより、若き写真家たちへ贈る言葉。

・何か没頭できるものを見つけよう

「4年生のとき、僕は一日中ずっと写真を撮り続けていました。朝昼晩の食事や、グラフィティで埋め尽くされた戸口や、友だちやルームメイトなど、どんな些細なものでも撮っていたんです。僕の初めてのボーイフレンドだったマークを苦しめてしまったこともありました。というのも、僕は自分たちの関係が生み出す一瞬一瞬を捉えるべく、常にカメラを撮り続けていたんです。あの頃の僕は、自分の人生を記録することで頭がいっぱいでした。

そんな経験を持つ僕からのアドバイスはこうです。何か没頭できるものを見つけて、それにこだわること。誰かと張り合ったりせず、自分らしさを見つけること。自分の人生で経験したことを撮って、写真史の知識と結びつけること。そしてそれら全てを混ぜ合わせて、あなた以外の人も入れるような、芸術的な世界をつくり出すことです」

「携帯で写真を撮るのが好きなら、撮ればいい。父親が工事現場で働く姿がカッコいいと思うなら、それを対象として使ってもいいでしょう。母親がプードルを飼っているなら、その光景を写真に収めてもいいのです。自分だけが知っていること、自分だけが立ち入れること、自分が繋がっている人やモノを撮るのです。そうすることで、自分だけの世界をつくりだして下さい」

「常に忙しくあること。自分がやりたいことを実行するための方法を探し、見つけること。自分がやりたいことを突き止めて、それを実行すること。自分がやりたいことについて、長い時間をかけてダラダラ話すことは厳禁です。それよりもまず、やること。磨きをかけ、出来るだけたくさん取り組むこと。時には違った方法でも試すこと。次のレベルに到達するまで諦めずに続けること。間違っても、途中で止めようと考えないこと。歩みを止めずに進み続けること。そしてこれらを、自然に出来るようになって下さい」

・チャンスを逃さぬよう、常に準備しよう

「ある時、自分が全く知らない人の自然な表情を撮ることに長けているのだと気づきました。この気づきは、私にとってひとつの突破口となりました。多くの人は撮られることが好きなのです。人から気にかけてもらえたり、普段やらないことをやってほしいと頼まれることが好きなのです。”尋ねること”、これこそが私がやるべきことだったのだと学びました」

「誘われたらとにかく”イエス”と答えて、新しいことにチャレンジしましょう。失敗や、一生懸命働くことを恐れないで下さい。あなたらしい写真を撮って下さい。他の誰かの写真を真似したり、真似しようとしてはダメです。迷うのはもう止めて下さい。使っているカメラが何かなど、気にしてはいけません」

「伝説的なインディーズのディレクター、デレック・ジャーマン(※4)から、アート・フィルムをつくる上での3つのルールを聞いたことがあります。『1、なるべく早く取り組むこと 2、あなただけの視点を持ち続けること 3、お金が稼げると期待しないこと』 この3つは、今も私の頭から離れません。アートに取り組むことが、あなたの仕事のようなものなのです。一日に8時間は写真に向き合って下さい」

「覚えておいて下さい。私達の仕事は、死ぬほど苦しいものです。しかし、だからこそとてつもなくロマンティックなのです」

「身の回りの全てを写真に収めて下さい。本当に一生懸命頑張っていれば、チャンスはやってきます。そしてその瞬間を逃さないよう、常に準備しておくことです」

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