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岡本太郎は19歳で渡仏し、22歳の若さで抽象芸術運動の、ど真ん中に迎えられるわけです。そのときのメンバーの顔ぶれは巨匠ばかりで。しかも同時にシュルレアリスムの連中ともつきあっている。いわば、世界選抜チームを渡り歩いたわけで、人脈にしろ、キャリアにしろ、言うことなし。戦争が終わって、パリに戻っていれば、うまくいくのは目に見えていた。だけど、帰らなかった。なぜか?いわば太郎は、草野球しか知らない国からひとり大リーグに渡った男だ。帰ってきたら母国はまだおかしなルールで草野球をやっていた。それを見て、誰からも頼まれてないのに、このガラパゴスをなんとかしなきゃ。それがおれの仕事なんだ、と勝手に思い込んだんじゃないかと思うのです。だって、太郎は滅茶苦茶、真面目な人だから。芸術とは何か、人生とは何か、大衆に向かって、それを言い続けた。だけど、結局伝わらなかった。死ぬまで「残響の強い無理解」の中にいた。晩年テレビに出た時も、彼はお笑い芸人まがいに見られていたし、ちょっと風変わりな、いわば奇人変人の類というか、好奇な目で見られる存在に、なっていた…。「岡本太郎って、なんだかすごい人らしい」そう言われながら理解もしなければ親しみもない、その状態でさらされていた。それでも、彼は岡本太郎です。ぼくの最も尊敬する芸術家のひとりです。

– youtubeのとあるコメント –

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