人は肉体以外には存在価値はない筈です。食うこと、セックス、排泄、それ以外は不必要です。つまり、人間のうごきは、めし食うこと(なるべくうまいもの、うまく食わなければ損です。)くそ、しょんべんをすることザーメンを出すことの3つのうごきだけです、それ以外のこと、勉強仕事はその3つのうごきのためについてまわる動作です。

「人間滅亡的人生案内」- 深沢七郎 –

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だから、幸福だとか、退屈だとか、と考えることがいけないのです、否、そんなことは考えなくてもいいことなのです。否、考える必要がないのです、否、幸福だと思うとき、退屈だと思うとき、それは意味のないうごきだからどちらも同じなのです。そんなことは考えなくてもいい、もし、考えても区別したりすることは出来ません、どちらも無という意味のないうごきなのだから。

「人間滅亡的人生案内」- 深沢七郎 –

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また、「自分が安っぽい人間に思えて毎日がいやになる」なんてとんでもない考えです。安っぽい人間ならこんな有難いことはありません。安っぽいからあなたは負担の軽いその日その日を送っていられるのです。
安っぽい人間になりたくてたまらないのに人間は錯覚で偉くなりたがるのです。
心配なく現在のままでのんびりといて下さい。いちばんおすすめすることは行商などやって放浪すること、お勤めなどしないこと、食べるぶんだけ働いていればのんびりといられます。

「人間滅亡的人生案内」- 深沢七郎 –

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友達などというものはそれでいいのです。友達というものは花のようなものです。例えば、幼稚園のときの友達、小学校のときの友達、中学、高校、大学の友達、それは、春には春の花が咲き、夏には夏の花が咲くのと同じです。そのとき、そのときの時季、状態で友達はそこにあるから眺めたり、飾りものにするのです。友達はいつかは裏切るものではなく自分自身が選んだり、捨てたりするものです。友達などというものはそのときどきに自分のために存在するのだからそんなものに負担を感じたり、たよりにしようと思うのは悪いことだと思います。友達は選んだり、捨てられたりするもので、デパートで買うアクセサリーの一種だと思えばいいでしょう。

「人間滅亡的人生案内」- 深沢七郎 –

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一緒に酒をのんで慰めてくれる人が欲しいなんて貴女はパアじゃないかと思うほとあきれた考えです。人間は慰めてもらうことはいけません。人間は食べて、ヒって、寝ればいいのです。ヒる作用には性欲もあります。性欲は食う作用でもあります。若い者 ー 男も女も、性欲は貪欲でいいのです。うんとめしを食って、うんと男と遊んで、うんと寝ることです。慰めてもらってはいけません。女にとって男はモテアソブ道具だと思えばいいのです。男も、女はそういう道具だと思っていいのです。

「人間滅亡的人生案内」- 深沢七郎 –

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また、何事にも熱中できないタイプと言うのも羨ましいことです。ゴルフに熱中したり、ダンスに熱中したり、恋や酒に熱中すること、熱中することは麻酔薬の中毒と同じなのです。馬鹿らしいことなのです。熱中できないことはステキなことなのです。とんでもない心配です。生きるに価する何かを発見するなどとはとんでもない思い違いだと思います。ヒットラー、徳川家康、と大きなことをしようとした人たちは結局、なんのために努力したかわからないと思いませんか。生きていることは川の水の流れることと同じ状態なのです。なんにも考えないで、なんにもしないでいることこそ人間の生きかただと私は思います。

「人間滅亡的人生案内」- 深沢七郎 –

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たしか『銀河英雄伝説』で、ヤン・ウェンリーが次のように言ったはずです。『かかっているものは、たかだか国家の存亡だ。個人の自由と権利にくらべれば、たいした価値のあるものじゃない』

「三体Ⅱ 黒暗森林」- 劉 慈欣 –

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