友達などというものはそれでいいのです。友達というものは花のようなものです。例えば、幼稚園のときの友達、小学校のときの友達、中学、高校、大学の友達、それは、春には春の花が咲き、夏には夏の花が咲くのと同じです。そのとき、そのときの時季、状態で友達はそこにあるから眺めたり、飾りものにするのです。友達はいつかは裏切るものではなく自分自身が選んだり、捨てたりするものです。友達などというものはそのときどきに自分のために存在するのだからそんなものに負担を感じたり、たよりにしようと思うのは悪いことだと思います。友達は選んだり、捨てられたりするもので、デパートで買うアクセサリーの一種だと思えばいいでしょう。
「人間滅亡的人生案内」- 深沢七郎 –