Daily Archives: 2025年7月25日

大企業に勤める父は優秀な社員だったようで、幼稚園か小学校低学年くらいの時、ハワイで行われる表彰式に何度か自分も連れられて行った。幼かったのでほとんど覚えていないけど、ワイキキのビーチで寝転びながら父が買ってきてくれたマクドナルドのハンバーガーセットを食べたのはよく覚えている。アメリカのコーラはSサイズでも日本のLサイズくらい大きいというのは人生で初めて感じた異文化かもしれない。

もう一つだけ覚えているのは祖父と祖母も一緒にハワイにいった時のことだ。隣り合った別々の部屋の、その間の壁に普段は鍵のかかったドアがあって、それを開放することで大きなひとつの部屋として借りていた。当時はまだそういうスタイルがあった、と勝手に記憶しているが小さい頃の記憶なのであまり確かではない。

朝、目が覚めたとき、自分と祖父が寝ていた部屋に父がおはようさんと言いながら入ってきて、よく寝れたかと聞いてくれた。目をこすったら目の周りを一周するようにたくさん目ヤニが付いていて、ボロボロと目ヤニを落とす感覚の気持ち良さを妙に覚えている。壁もシーツも全部白くて、真っ白な部屋だった。

あの日のあの朝の、あの一瞬のことだけは、不思議なほど良く覚えていて、幼少期のことをあまり覚えていない自分にとって、数少ない記憶となっている。僕はいつも、人生のあるポイントである日目が覚めて、あの朝に戻るような気がしている。マトリックスから覚めるみたいに、今まで生きた人生が嘘だったり、ただの長い夢だったとき、目が覚めるのはあのハワイのベッドだと思っている。

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